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再生不良性貧血:造血細胞が脂肪に変わってしまう骨髄の異常

再生不良性貧血
再生不良性貧血

海外の他の国に比べ、日本人に多いといわれている血液の疾患です。
特定の薬物やウイルス、放射線などによって突発的に起こるものなので、症状が出てからもただの貧血だと考えてしまい気が付かないケースもあるようです。
しかし、「貧血」という名前が付いていますが、他の貧血とは根本的にメカニズムが違う深刻な病気です。
精密検査で発見することができますので、貧血と診断されたら必ず検査を受けましょう。


再生不良性貧血とは

鉄欠乏性貧血との大きな違い

再生不良性貧血は、血液を作る骨髄そのものに異常が起こっている血液疾患です。鉄欠乏性貧血や悪性貧血は血液を作るための材料が足りなくなることが原因ですから、全く違った種類の貧血なんです。長い間原因がはっきりしないままでしたが、最近ではようやく効果的な治療方法がいくつも見つかってきました。しかし、まだ100%治療できるとは言い切れない難しい病気です。進行すれば生命に関わる自体にもなりかねません。精密検査での早期発見・早期治療が大切です。

メカニズム

再生不良性貧血とは、骨髄内の造血細胞が脂肪に変ってしまうことで血液が造られなくなってしまうために起こります。造血細胞を脂肪に変えてしまうのは免疫機能と深い関わりがあるT細胞が、骨髄の中の造血細胞の増殖や血球となる分化を妨げてしまうことが原因です。また、中には造血細胞自体にT細胞が攻撃を加えて血液を造れなくしている事もあります。本来なら自分の身体を守るために働くT細胞がこのような状態を引き起こしていることから、再生不良性疾患は自己免疫性の疾患であることがわかっています。

症状

血液の元となる造血細胞自体を抑制してしまうため、赤血球だけでなく、白血球や血小板も減少してしまいます。そのため、免疫機能は著しく低下してしまい、皮下出血や歯肉炎などの症状が表れやすくなります。また、異物などに対する抵抗力も低下してしまうため、他の疾患も併発しやすい状態になります。発症しても軽症の場合には、だるい、疲れやすい、風邪を引きやすいなど、自覚症状も気が付きにくい場合が多くあります。しかし進行してしまうと命に関わる重大な状態になってしまいます。

治療法

骨髄移植・臍帯血輸血

完全な治療方法が見つかっていない中で、唯一の根本的な治療は骨髄移植です。骨髄の造血能力が失われている疾患なので、健康な骨髄を移植することで造血能力を正常に戻すことができます。しかし、骨髄移植地量端は、適合するドナーがいることが条件となります。ドナーが見つからなければ、薬を使った対処療法で症状を抑えながら適合者が現れるのを何年も待たなければならないケースも多いんです。そのため、比較的ドナーの見つけやすい臍帯血輸血や同種抹消幹細胞移植を使った治療も進められています。

投薬治療

再生不良性貧血の骨髄では、免疫機能の異常によりT細胞が造血細胞を抑制してしまいます。ですから、骨髄移植が行えない場合には、T細胞の働きを薬で抑えて造血能力を少しでも改善させる投薬治療が有効的だといわれています。また、T細胞に対する抗体を利用した、免疫抑制療法も行われています。投薬治療や免疫抑制治療は、根本的な治療ではありませんが、重篤な症状にまで進行することを少しでも防ぐことができます。そのため、骨髄移植を行うことができない高齢者にも効果的です。