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悪性貧血:きちんとした治療をうけることにより改善します

悪性貧血
悪性貧血

原因不明で治療法が見つけられなかった時代につけられたため「悪性」というなんだか怖い名前で呼ばれていますが、現在では原因も治療法もわかっている疾患です。「不治の病」思われていたため、沢山の医者や研究者が治療法や原因を突き止めようとビタミンや悪性貧血の研究を重ねた結果、数々のノーベル賞受賞者を生むことにもなったのです。
今は決して不治の病ではありませんが早めの治療は大切です。


悪性貧血とは

原因と診断

悪性貧血は、ビタミンB12の欠乏によって引き起こされる、自己免疫疾患性の貧血です。体内にビタミンB12が足りなくなると赤血球の生産量が減少して貧血になります。原因としては、ビタミンB12を吸収するための内因子が分泌されていない、もしくは、吸収を阻害する物質が分泌されている、という2つの理由が挙げられます。そのため、ヘモグロビンをつくる鉄をしっかり摂取していても貧血が改善されない、という人や血液検査でヘモグロビンの生産量はあるのに赤血球数が少ないという人は悪性貧血の疑いが考えられます。

症状

食欲不振や消化不良など、他の貧血でも見られる症状もありますが、悪性貧血独特の症状として見られるのは神経性の症状です。舌の炎症や口内炎、手足の痺れや皮膚の感覚麻痺から始まり、進行すると、手足が麻痺して動かしにくくなったり排尿障害も現れます。排尿障害は、尿意の感覚が鈍くなるというだけではなく、下痢・便秘・吐き気を繰り返しやすくなります。さらに症状が進行すると、記憶力が低下し痴呆になる事もあります。悪性貧血での記憶障害や痴呆の症状は、早期に適切な治療を行えば回復しやすいのも特徴です。

ビタミンB12と貧血

ビタミンB12の特徴

ビタミンB12はDNAの合成と赤血球の産生、赤芽球の増殖には欠かせない物質です。多く含まれているのがレバー、貝類、牛乳などですが、果物や野菜には含まれていません。肉を食べないベジタリアンでも、健康な状態であれば腸内細菌や微生物の摂取でB12を欠乏症にはならない程度に補うことができます。しかし、食べた後胃の中で胃液の内因子と結びついて初めて吸収することができるため、ただ摂取するだけでは補えません。摂取するためには、身体から内因子が正常に分泌されている必要があるのです。

内因子を阻害する物質

ビタミンb12を吸収されるための内因子が欠乏するのは、内因子の分泌を阻害する物質が、体内で抗体として作られてしまうことが一つの原因です。そのため、自己免疫の以上による疾患であるということがわかっています。そのため、慢性甲状腺炎など免疫機能に関係する他の疾患を併発するケースも多く見られます。また、赤血球の産生量は激減しますが、ヘモグロビンは通常通り生成され、骨髄内では巨大な赤芽球が見られるようになります。そのため、悪性貧血は巨赤芽球製貧血のうちの一つとして分類されています。

治療方法

食事療法

悪政貧血の原因がまだはっきりしていなかった頃治療方法は、レバーを沢山食べる、というものでした。ですから、内因子を阻害する抗体が出来てしまった場合でも、大量のレバーを長期間食べ続ければ貧血症状は改善するはずです。レバーにはビタミンB12が多く含まれる食品として知られていますが、100g当たりの量としてはしじみや赤貝など貝類の方が多く含まれています。しかし、100g食べるならレバーのほうが簡単に食べられますよね。レバーの中でも牛・豚・鶏の順で多く含まれているので覚えておきましょう。

ビタミンB12の注射

胃液の中の内因子を阻害する抗体物質があると、吸収障害が起こり内服治療や食事療法では速攻性のある治療はできません。そのため、ビタミンB12を直接筋肉に注射して吸収させる方法が有効的です。1日500mgのビタミンB12を連続して数週間〜数ヶ月筋肉注射します。しかし、抗体が作られなくなることはほとんどないため、貧血の症状が改善され、赤血球の値が回復しても、急に治療をやめるのではなく1ヶ月に1回のペースで続けることが重要です。