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鉄欠乏性貧血:女性5人に1人の割合

鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血

ヘモグロビンを構成する鉄分の不足が原因となる”鉄欠乏性貧血”は、女性の5人に1人がなっているといわれるほど多い貧血疾患です。また、インスタント食品などで偏った食事を続けている一人暮らしの男性にも同じくらいの割合で鉄欠乏性貧血になっている人がいるといわれています。自覚症状がほとんどないので、知らないうちに鉄不足となりこの貧血になっている人も多いんです。あなたの血液には鉄、足りていますか?


こんな状態には要注意!

症状

めまい・動悸・息切れなど、どんな貧血にも共通して見られる症状の他に、食べ物が飲み込みにくい、爪が平らになったり反り返ったりしてしまう「スプーンネイル」があります。
飲み込みにくいのは、鉄不足により食道が萎縮してしまうのが原因といわれていて、口内炎などを併発する事もあります。また、月経に伴う貧血では、強い眠気を感じる人も多く、PMSの症状としても知られています。しかし、初期段階での自覚症状がほとんどないため、臓器の機能が低下したり慢性疾患の症状を発症してから気づく人も多いようです。

原因と診断

赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリットを血液検査で調べます。鉄欠乏性貧血の場合、赤血球は作り出せても鉄を使うヘモグロビンの生産量は少なくなります。そこで赤血球とヘモグロビンの消失速度を比べ、ヘモグロビンの減り方が著しく早ければ低色素貧血と判断します。また、ヘモグロビンが少ない赤血球は小さくなってしまうので、赤血球1個の辺りの容積を調べ、基準より赤血球が小さければ、小球性貧血診断します。さらに体内の鉄の状態を調べ、基準に満たなければ3つの診断結果により鉄欠乏性貧血と判断されます。

鉄が不足する原因

偏食な食事

鉄はヘモグロビンを作るために必要な成分です。食事で体内に摂取され肝臓や脾臓に貯蓄されています。しかし、一回の食事で摂取できる鉄分の量は10mg程度、そのうち吸収されやすいヘム鉄は30%、非ヘム鉄は10%程度しか吸収することができません。食べる量が少なければすぐに鉄不足となりヘモグロビンの産生量が減るということです。
一回の食事量が少ない女性がヘム鉄を含む肉類を避けた食事をしていると、吸収できる鉄分はほとんどありません。お菓子やインスタント食品で食事を済ませている人も同じです。

出血

鉄は摂取される量と自然に排出される量が微量でほとんど同じなので、体内で一定量がぐるぐる循環されていることになります。しかし、痔・月経・出産・外傷・慢性出血などにより血液が失われると、鉄分は一気に少なくなってしまいます。子宮筋腫や胃炎など、自分では気が付きにくい内臓の出血により、知らないうちに鉄が失われて貧血になっている人もいます。また、激しい運動はや長時間の歩行でも、消化器官や対表面で赤血球が壊れやすく、ヘモグロビンが尿の中に排出されるため鉄不足の原因となります。

治療と対策

食事療法

食煮による鉄分不足の改善には、鉄分の吸収を阻害する紅茶・緑茶・烏龍茶の摂取はできるだけ避けるようにします。しかし、食後一時間以上あけてから飲むのであればさほど問題はありません。また、食物から吸収することのできるヘム鉄には、肉や赤身魚に含まれるヘム鉄と牛乳・卵・野菜・果物に含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄の方が非ヘム鉄の3倍ほど給されやすいのですが、ビタミンを一緒に摂取しないと吸収率はあまり高くなりません。そのため、肉・魚などと野菜のバランスのバランスを取ることがポイントとなります。

内科治療

一般的には一日あたり50〜200mgの鉄剤服用を数ヶ月続けて鉄不足を改善しますが、鉄剤は胃腸に強い刺激を与えます。しかし、食物には鉄の吸収を阻害するものが多いため、食間に服用するほうが吸収されやすいのです。そのため、胃腸薬を併用したり、鉄の吸収を阻害するお茶などを摂取せず食後に服用するのが効果的です。また、腎臓病に伴う透析で赤血球が失われて鉄が不足する場合には、赤血球の造成を助けるエリスロポエチレンと鉄剤を投与する対処が取られています。